特別招待講演 / Invited lecture

16:20~17:20 2号館2階大講義室A

講演者:吉田弘氏
     独立行政法人海洋研究開発機構 海洋工学センター 海洋技術開発部長
     (兼)探査機技術グループ グループリーダー

「海・人・ロボットのいい関係」
概要
吉田弘氏
吉田 弘氏

地球表面の7割を占める海。世界6位の海洋面積をもつ日本はこれまで漁業や海運などを通して海から多くの恩恵を受けてきましたし、これからも海と良好な関係で付き合わなければなりません。

一方、身近な海について今我々が知っているのは表面に近い一部分に過ぎません。つまり、深海のほとんどのエリアはこれから調べるのです。

深海に限らず、頼る相手を決めたら、まずはその素性を知らねばなりません。深海の場合、それは測量船による海底地形図づくり(海上保安庁が担当)から始まります。

深海の環境や資源の詳細を調査するには人間が現地に赴くのが理想ですが、「しんかい6500」のような有人潜水船を使うとコストが高く、また、深海の高圧環境下では船外活動もできません。そこで、コストを抑えて安全に行動する"深海ロボット"の出番となるわけです。

いま、日本の海洋技術者は深海利用を目標に深海ロボットの開発に精力を注いでいます。もちろん、今後も海と良好な関係を保ち続けるための環境調査研究も並行して。

講演では、これからの海洋利用について、私たち海洋技術研究者が今やろうとしていることを深海ロボットの開発の観点から専門的な内容を交えて紹介し、海と人とロボットの関係を皆さんと一緒に考えたいと思います。

たんさ3兄弟(提供:JAMSTEC)
たんさ3兄弟 おとひめ(提供:JAMSTEC)
おとひめ
たんさ3兄弟 じんべい(提供:JAMSTEC)
じんべい
たんさ3兄弟 ゆめいるか(提供:JAMSTEC)
ゆめいるか

【開催報告より】

JAMSTECの吉田弘氏により、海、特に深海利用の将来像とその実現を担う深海探査ロボット開発の最前線についてご講演いただきました。深海の定義と特徴を紹介されたあと、“持続可能かつ採算可能な深海利用”のあるべき姿と実現への戦略、必要とされる技術や展望について、JAMSTECでの自律型深海探査ロボット開発やそれを用いた深海環境調査・資源探査の現状を交えながら、わかりやすくお話いただきました。

 
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