特別招待講演 15:00~17:00 2号館2階A講堂

第1部 15:00~

講師:福田敏男 名古屋大学教授

「医療に貢献するマイクロロボット」
講演概要

マイクロロボット技術は医療の診断、手術、術後のリハビリ等に大いに活用されるようになってきました。特に、手術の非侵襲化や最少侵襲化により、患者の負荷を少なくする方向になってきます。ダヴィンチロボットやカテーテルも従来に比べて格段に進歩してきています。これに伴い、ロボットや最先端デバイスを駆使して手術をする医者の技量・技巧も従来より格段のレベルが要求され、その訓練を実施するためのシミュレータ技術も向上してきています。これらのマイクロ・ナノロボットの活躍、医療や生命科学に貢献するロボットの研究開発状況や将来像について述べます。

福田 敏男
プロフィール

1948年富山県生.71年早稲田大学理工学部機械工学科卒業.77年東京大学大学院博士課程修了.工学博士.現在,名古屋大学大学院工学研究科教授・マイクロ・ナノメカトロニクス研究センター長.知能ロボット,自己組織化ロボット,マイクロ・ナノロボットの研究などに従事している.IEEE Region 10 Director-elect(2011-2012),IEEE R&A会長(1998-1999),IEEE/ASME Trans. on Mechatronics,Editor-in-Chief(2000-2002),IEEE Division X Director (2001-2002),IEEE Nanotechnology Council 会長(2002-2005),日本知能情報ファジィ学会会長(2003-2005).IEEE Robotics and Automation Technical Field Award (2010),計測自動制御学会技術賞(2010),など多数受賞.


第2部 16:00~

講師:西谷隆夫 首都大学東京教授

「DSPの開発とその後の展開」
講演概要

1980年に私が世界ではじめて開発したDSPは、スマートフォンや携帯電話のLSIコアとして必ず1個は用いられています。また、超音波診断装置のような医療機器にも用いられる場合もあるようです。 事業部門がLSI開発に投資したことによって、研究所は音声・オーディオの世界標準化に貢献し、またMP3関連特許として会社に貢献しました。
DSPはその後、主役がTexas Instrumentsに移ってしまいましたが、マーケティング理論を活用して何が良かったのか、何が間違っていたのかを明確にするとともに、大学での研究もDSPのDNAを引き継いだ例をお話しする予定です。

西谷隆夫
プロフィール

大阪大学大学院修士課程修了.博士(工学).NEC C&Cシステム研究所ターミナルシステム研究部長,マルチメディア研究所長などを歴任した後,高知工科大学情報システム学科教 授,2006年より首都大学東京システムデザイン学部教授.DSPの発明者の一人として世界的に認知されている他,オーディオ・音声・画像符号化並びに信号処理の分野でも先駆的な研究を行っている.電子情報通信学会誌ディジタル信号処理専門委員会委員長,同学会CAS専門委員会委員長,電子情報通信学会編集理事、IEEE SP Society Tokyo Chapter Chaiman, IEEE CAS Society Japan Chapter Chairman, ICASSP2012 General Co-Chairmanなどを務める.電子情報通信学会学術奨励賞,科学技術庁長官賞,TTC感謝表彰,IEEE SPSociety ICASSP功労賞,ベル研究所社長賞,オーム技術賞などを受賞.IEEE Fellow,電子情報通信学会フェロー